妊娠中の貧血
もともと若い女性には多いと言われている貧血ですが、妊娠すると発生率がさらに高まります。今は問題ないママも、妊娠週数が進むにつれて、貧血と診断される可能性もあります。ナゼ起こりやすいのかを理解して、食生活を見直してみませんか?
貧血ってなに?
血液とは、どういう成分からできているかというと、赤血球、白血球、血小板、血漿(けっしょう)という細胞や液体などで構成されています。貧血とは、このうちの赤血球に含まれているヘモグロビンという物質が減ってくる状態をいいます。
貧血の基準はあるの?
貧血かどうかを判断する基準は、血液検査によるヘモグロビン濃度の数値です。非妊娠時の女性はヘモグロビン濃度が12g/dl未満、生理的に貧血になりやすい妊娠時は11.4g/dl未満が貧血と診断されます。
貧血の原因は?
貧血の原因として最も多いのは、体内の鉄分が不足することで起こる「鉄欠乏性貧血」です。鉄分が足りなくなる理由はいろいろありますが、大多数の場合は食生活に偏りがあり、普段から鉄分の少ないものばかり食べていて自然に貧血になってしまうことが挙げられます。
妊婦が貧血になりやすいのはナゼ?
妊娠すると、おなかの赤ちゃんと胎盤の発育に伴い、母体の循環血液量も約1.5倍に増えていきます。赤ちゃんは母体から優先的に鉄分を受け取り、血液を作り成長していくので、ママは妊娠していないときよりも多くの鉄分を摂取する必要があります。日常的に十分な量を摂取していれば、肝臓などに蓄えられている鉄分から補給されるので、妊娠したからといってすぐに貧血になる心配はありません。
ですが、普段から鉄分の少ないものばかり食べていると、蓄えられた鉄分も不足してしまうので、妊娠中は貧血になる可能性が非常に高くなります。また、毎月の月経も影響するので、妊娠前からもともと貧血気味のママも多いようです。
血液中のヘモグロビン濃度が正常値でも、12g/dl前後とギリギリだった人は、妊娠をきっかけにきわめて高い確率で貧血になる可能性が高いので要注意です。
妊娠初期はまだ赤ちゃんが小さいので、使われる鉄分も少なくてすみますが、中期、後期と赤ちゃんが大きくなるにつれて必要量も増えていくので、貧血の確率も高くなります。
貧血の自覚症状はあるの?
貧血になっても、よほど重い状態でなければ自覚症状がない場合がほとんどのようです。ただし、重症化してしまうと、動悸や息切れがしたり、階段を上るのに苦労する、疲れやすい、冷えやすいなどの症状がでてきます。
貧血による妊娠経過や胎児への影響は?
初期に貧血と判明した場合、きちんと治療し食事などの管理を行っていけば、中期以降になっても悪化する心配はあまりないと言えるようです。万一重症化すると、栄養障害が起こる恐れがあります。そのため血液が薄くなり、酸素や栄養がおなかの赤ちゃんに届きにくくなるため、赤ちゃんの発育に影響がでてくる可能性があります。
ですが、一般的に妊娠中は貧血の治療や管理を産院で行うので、重症化するのはきわめてまれなケースのようです。また、本来、赤ちゃんには優先的に酸素や栄養が運ばれているので、貧血の程度が軽い、あるいは中程度の場合は、発育や健康状態に影響する心配はないでしょう。
お産への影響はあるの?
出産時は、赤ちゃんが生まれたあとに胎盤がはがれて出てきます。このときに伴う出血の量には個人差がありますが、貧血で血液が薄い場合は、血が固まるのに時間がかかり出血が止まりにくくなります。当然、出血量も多くなり貧血もより進行する恐れがあります。
重症の貧血の場合は、分娩そのものに影響する心配もあります。貧血により、体力が低下していると陣痛が弱くなり、お産が長引くことも予想されます。
産後への影響は?
産後は、子宮の回復に時間がかかったり、貧血により体の抵抗力が落ちているので、子宮内への感染も通常より起こりやすくなります。炎症が進むと産褥熱といって、38度以上の高熱が出るケースもあるみたいです。
また、授乳にも影響する心配があります。母乳は血液でできているので、出にくくなる傾向もあります。さらに、貧血により体力が低下していると、夜中に起きて赤ちゃんに授乳するのもつらくなります。
貧血はどうすれば予防できるの?
成人女性の1日に必要な鉄分摂取量の目安は12mgですが、妊娠中と産後の授乳期(約6ヶ月間)は20mgとなり約1.6倍となります。貧血の予防・治療には、鉄分を多く含む食品を多めに摂ることが大事です。鉄分を多く含む食品は、肉や魚の赤身の部分やレバー、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、ひじきなどの黒い海藻類、豆腐や納豆などの大豆製品、玄米などの未精白の穀類などです。
また、鉄分の吸収を助けたり赤血球を合成する働きがある栄養素には、ビタミンC、タンパク質、葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、銅などがあります。つまり栄養バランスのとれた食生活が予防のためも一番いいでしょう。
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