おなかの痛みと張り
おなかの張る場所や感じ方はいろいろですが、なかには流・早産につながる心配なものもあります。それぞれの張りのメカニズムやパターンを知って、いざというときに慌てないようにしましょう。
■ 「おなかの張り」ってなに?
ママが「おなかの張り」として感じるものにはいくつかの種類があり、その原因もさまざまです。今回説明するのは、その中でも「心配のない張り」です。生理現象や物理的な原因によって起こるものなので、しばらく安静にして様子を見ていれば、やがて治まる張りです。
一方、「産院に相談すべき張り」とは、そのままでいると流産や早産になってしまうかもしれない、切迫流・早産の兆候であるおなかの張り。この場合は、張りに痛みを伴うことも多く、ときには出血があることもあります。また時間がたつにつれて頻度や強度が増してくるのが特徴です。
妊娠中におなかの張りを感じた場合は、まずその張りがどちらのタイプなのかを落ち着いて見分け、必要があれば受診することが大切です。
■ 靭帯のつれ(妊娠初期に多い)
子宮は、子宮と骨盤をつなぐように位置している「円靭帯」という靭帯によって支えられる形でお腹の中に納まっています。この円靭帯も、妊娠によって子宮がどんどん大きくなっていくことによって、通常よりも引っ張られ伸びていきます。このとき、ママには足の付け根付近が突っ張るように感じたり、チクチクとした痛みとして感じることがあります。この感覚は妊娠初期に感じる人が多いようです。
■ 皮膚の突っ張り感(妊娠初期・中期に多い)
赤ちゃんの成長とともに妊娠から出産までの短期間に大きくなる子宮。おなかの皮膚表面も、当然これに伴い引っ張られるように大きく伸びますが、この過程で起こる突っ張り感をときに張りや痛みとして感じることがあります。とくに妊娠中期のお腹の張りにはこのタイプが多く、どちらかというとやせ形のママの方が感じやすいようです。子宮の大きくなり具合にお腹の皮膚の伸びが追いつけない場合は、部分的に皮膚に負担がかかって妊娠線ができてしまいます。
■ 子宮の収縮(妊娠後期に多い)
赤ちゃんを守り育てるお部屋の役目を果たしている子宮は、全て筋肉でできています。でもこの筋肉はママ自身の意思で力を入れたり緩めたりすることはできません。子宮の筋肉は普段は柔らかく緩んだ状態ですが、おなかが大きくなるにつれて、生理的現象としてときどき収縮するようになります。これを子宮の収縮といいます。
多くは妊娠中期頃から1時間に数回の収縮をしていますが、ママが自覚しない程度のことも多く、後期に入って30週を過ぎた頃から、ママもこの収縮をおなかの張りとして実感しやすくなります。
子宮全体が収縮しますが、張る感覚は下腹部のほうに強く現われるようです。生理的な心配のない張りですが、ママが疲れたり、体に負担がかかったりすると感じることが多くなります。