妊娠糖尿病とは

妊娠中の一時的なものですが、発症しなかった人と比べると、将来、糖尿病になる可能性が高くなります。

■ 妊娠糖尿病ってなに?

妊娠をきっかけに糖尿病になってしまうというものです。妊娠が原因で糖尿病が発症するため、産後は正常な状態に戻るケ−スがほとんどですが、妊娠経過や食事などに注意が必要です。

こんな人は注意して
家族に糖尿病を患っている人がいる
肥満である
35歳以上の高齢妊娠
過去に4000g以上の赤ちゃんを出産した

 

■ 妊娠中は糖が出やすいの?

妊娠前は血糖も高くなく、尿内の糖も出ていなくても、妊娠をすると生理的に糖が出やすい(高くなりやすい)状態になります。

ブドウ糖はママの体のエネルギ−源であると同時に、胎児の体を作る大切な栄養分です。妊娠中は母体の血糖値がある程度高い状態でないと、胎盤を通して胎児に届かないため、インスリンの効果を抑えて血糖値を上げようとするようです。

血液中の糖が増えると、それだけでも尿中の糖が増えやすい状態にありますが、さらに妊娠中は、血液量が妊娠前の約1.5倍と増えるため、妊娠前は腎臓で吸収されていた糖が吸収されずに尿にもれ出てしまいます。そのために妊娠中の尿検査で「糖が出ている」と言われることもあります。

 

■ 妊娠糖尿病と診断されたら?

血液検査の結果、妊娠糖尿病と診断されると症状の程度や個人差によりますが、食事療法や定期的な検査を行い血糖値を管理することによって妊娠経過を見ていきます。高血糖状態は妊娠高血圧症候群も引き起こしやすいため、注意が必要です。

急激な血糖の上昇を防ぐため、食事は1日6〜7回に分けて摂るよう指導されます。場合によっては自分で血糖値を測ることもあります。糖尿病というと怖いというイメージがありますが、血糖値がきちんとコントロ-ルされていればほとんど問題はありません。

どのような方法で治療、管理するかは医師から詳しい説明があるので、きちんと指示に従いましょう。

 

■ 胎児にも影響があるの?

妊娠初期から血糖が高く、妊娠の早い時期から妊娠糖尿病の状態だったり、血糖値のコントロ−ルがうまくできずに高血糖の状態が続くと、胎児が大きくなり4000g以上の赤ちゃん(巨大児)が生まれることがあります。また胎盤機能が低下し、子宮内胎児発育遅延の発症率も高くなります。

さらに、妊娠中の高血糖は生後1ヶ月未満の新生児の赤ちゃんにも影響を及ぼす心配があります。子宮内胎児発育遅延によって低出生体重児として生まれた赤ちゃんもそうですが、巨大児で生まれた赤ちゃんも、体は大きくても臓器が未成熟であることも少なくないようです。

 

■ 出産方法も変わるの?

お産はほとんどの場合、経膣分娩が可能ですが、赤ちゃんが大きすぎて産道を通るのが難しいと判断されたり、赤ちゃんの状態がおもわしくない場合には帝王切開になる可能性もあります。

 

■ 産後は治るの?

出産が終われば、妊娠によるインスリンを抑えるホルモンはなくなるので、妊娠糖尿病は治ってしまうケ−スがほとんどです。産後の回復もほとんど変わりません。

産後1ヵ月健診で血糖値の測定を行い、血糖値が正常であれば問題ありません。ただし、正常と診断されても、将来糖尿病になる可能性が高いことに変わりはないので、今までの食生活を見直し、低カロリ−でバランスのよい食事を心がけましょう。

もし、健診で血糖値が高いままなら妊娠前からの糖尿病であったことが分かり、産後も糖尿病としてきちんとした食事療法の指導を受け、血糖値の管理をしていくこととなります。血糖値が高いけど糖尿病まではいかない境界型の場合でも、定期的に検査をし経過を見ていく必要があります。